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優しい彼の悪魔の顔
第11章 帰り道
太陽も隠れてしまい、外灯もない下り道をリョーはミコの手を引きながら進んだ。

今日のことが、ついさっきの出来事が、現実ではないような気がするのに、リョーの手から伝わる体温が夢ではないと教えてくれる。

今日だけじゃない。
この数週間。
ずるずると流されるようにリョーと関係を持ってしまってきたけれど、全てがなんだか許されるような気にミコはなっていた。


黙ったままゆっくりとリョーは車まで進み、そのまま助手席にミコを乗せるまで、その手はずっと握られたままだった。


「ミコ」

「ん?」

運転席に座ったリョーに呼ばれてミコが振り向くと、突然その視界がリョーに閉ざされ、唇が奪われた。

「んっ、待って、びっくりする…」

言い終わらないうちに、またしてもリョーの顔が近づく。
咄嗟にリョーの胸に手を伸ばして離れようとしていたが、ミコはその力を緩めた。

それに気がついたリョーは、そのままミコの服の上からミコの柔らかい胸を揉み始める。

「ちょ、ちょっと待って…」

狭い車内でミコが身をよじっても、あっという間にリョーに捕まる。

「ミコ、どんどん体が暖かくなってるね。暑いの?」

「だって、いきなりリョーがくっつくから」

「じゃあ窓開けようか」

リョーがミコから離れてエンジンをかけると助手席と運転席の窓を全開にした。

夏といっても山の上。
涼しい風が車内に流れ込んだ。
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