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優しい彼の悪魔の顔
第11章 帰り道
「やっ、なんでっ」

「これ、遠隔できるやつなの。気がつかなかったの?」

リョーはそう言うとさらにローターの振動を強める。

「やぁ、お願い、やっ」

「ほら、声出したらだめだって」

リョーがリモコンで操作しているのか、ローターは強弱をつけながら中で暴れている。
ミコは必死に両足に力を入れ、なんとか気を紛らわそうと唇を噛む。

「で、どこの何をどうして欲しいんだっけ?」

ミコは首を振っているが、運転しているリョーの目には入らない。

「あ、そっか。中に入ってるオモチャでもっと遊んで欲しいってこと?」

リョーはそう言いながらリモコンのスイッチを操作する。
ローターはリズムを取りながら、さっきまでよりもさらに激しく震えだした。

「ちがうっ、これ、やめて…」

「はは、ミコはほんとウソばっかりつくね。やめてって言いながらすごい気持ち良さそうじゃん。ほんとは一緒にいたかったけど、ミコ帰っちゃうんだもんね?しかたないからミコの家までこのままにしてあげるね」

リョーはそう言うと、リモコンをぽいっと後ろの席へ投げた。

「やぁ、許してっ」

「ん?そんな色っぽい声で言われても説得力ないし。いいよ、窓閉じてあげるから、好きなだけ喘いで」

リョーは窓を閉めると、その両手をハンドルに起き、前を向いた。
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