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優しい彼の悪魔の顔
第11章 帰り道
車で待つと言うミコを強引に誘い、リョーはコンビニの店内へミコの手を引いた。
ミコは先ほどまでのリョーのイタズラに少し足をふらつかせながら、リョーの手を握り返す。

「ミコ、ちょっと俺トイレ行きたいから会計しておいて」

数種類のお酒やつまみ、飲み物の入ったカゴと一緒にリョーは財布を手渡した。

ミコは一人でレジに向かう。
レジには店員が一人しかおらず、前には2人、手に手に商品を持った客がぼんやりと順番を待っていた。

その瞬間。

びくっとミコの体が震えた。
とっさに後ろを振り向くが、リョーの姿は見えない。

突然震えだしたローターにミコは足が震え出す。
周りの人には気付かれてはいない。
けれど。

散々じらされている体は、さっきよりも強い振動に簡単に反応する。
意識しないようにすればするほど、その波を避けようとする意思とは裏腹にミコの腰と足は知らず知らずにくねりだした。

「んんっ」

最初の人の会計が終わり列が進んだのに合わせて前に出ると、また違う感覚がミコを襲う。
周りにばれないように、ミコはまたひとりで唇を噛んだ。

やっとミコの順番。
大量に詰め込まれた商品を一つ一つバーコードで吸っていくが、なかなか終わりそうにない。
ミコはふらつく足をなんとかしようと、台に手をついて必死に耐えた。

「まだ?」

そんなミコの横に突然リョーが現われた。
あの、澄ましたいやらしい顔で。

「…リョー」

ミコは潤んだ瞳でリョーに必死に懇願する。
くすっとリョーは笑うと、ミコの耳元で囁いた。

「さっきから、腰動きすぎ。みんな見てるよ」

かぁっと赤くなる顔をミコは下に向けて、なんとか平静を保とうとする。

やっと会計が終わりリョーは片手にコンビニの袋、もう片方でミコの手を取った。
ミコは耐えられない衝動を抑えようと、つながれた手に力を込める。

リョーは車に着くと、助手席ではなく後部座席にミコと一緒に乗り込んだ。

「さて、ミコどうして欲しい?」
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