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優しい彼の悪魔の顔
第12章 変化
溢れそうになる涙を、ミコは必死に堪える。
そうしてキュッと固くなった体をリョーは優しく摩った。

「リョーは、満足?」

「なにが?」

「最近のリョー、優しいけど。前みたくしたいとか、ないの?」

震えそうになる体を必死で抑え、問いかけると、リョーはミコの頭を抱え込む。

「俺は、ミコが満足してくれるならそれで満足だよ?」

満足。
してない。

言いたいけれど、それを言ったらどうなるのだろう?

「ミコは優しいエッチがしたいんでしょ?だからそうしてるのにまさか満足してないの?」

目の前に回されたリョーの腕。
ミコはそれに抱きつきたくなる衝動を抑える。

「ね、どうなの?こっち向いてよ」

リョーに体の向きを変えられる。
目の前のリョーの顔は、まだいつもの余裕のある顔。

足りない。
私が欲しいのは、これじゃない。

ミコの熱くなった視線に、リョーはくすりと笑う。

「ほら、言って。満足?」

ミコは、リョーから目を逸らしながら小さく首を振った。

「じゃぁ、どうして欲しい?」

目の前のリョーの首筋。
リョーが言葉を発するのに合わせて、上下に動く喉。

そこに口付けをしたい、ミコは思うよりも先に指でそこをなぞる。

「ん?」

指から
リョーの声に合わせて低い振動が伝わる。



「…私を、もっとむちゃくちゃにして」

ミコはそう言うと、自らリョーに腕を回した。
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