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ただそこに君がいた
第2章 いつからか
バシャッ…!
『やだ、ちょっ…!』
風呂の端に追い詰めて、正面から口づけた。薄い唇を舐めて、開いたらすぐに舌を差しこんで。一夏の唾液をもらうように、濃厚なキスを繰り返した。
『んんっ…待っ…あっ…!』
細っこい両腕を掴んでると、肩が竦んで鎖骨が浮かび上がる。その白くて華奢な肌に、オレは吸いつく。
『…はぁ…一夏っ…』
首を舐め上げて耳にキスをすれば、一夏はまた、か弱い声をあげた。
『やっ…はぁッ…』
それが堪らなくて、尚も唇に吸い寄せられる。
『んんッ…や、…のぼせちゃ…』
『はぁ…ならオレの部屋、行くか…?』
抱きしめて。奪うようなキスの合間に。
問いかけたオレに、一夏は何も返事をしなかった。それが答えだってことは痛いくらいに、本当は分かっていたのに。
『……やっぱいいや。もう、待てねぇから。』
まだ半分正気のオレは、早くおかしくなってしまいたかった。こんなの勢いだ。今二人で風呂を出たら、この続きは無くなることもオレは分かっていたから。