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ただそこに君がいた
第2章 いつからか


────高2の夏


『なあ、抱かせてくんない?』


耳元で呟くと、
腕の中の一夏はバカバカしそうに


『…あんた、アタマ大丈夫?』


なんて、品のない返し。どう考えたって、色っぽいシチュエーションなはずなのに。対するオレも


『大丈夫に決まってんだろ、ムラムラきてんだから。』


売り言葉に買い言葉的な?言ってることとやってることが、まるでリンクしてねぇな。


『バッカじゃないの?盛ったんなら、彼女のとこへでも行きなよ。』


オレを押しのけて、無理にでも一夏は離れていこうとするから。腕を掴み、強引に。


『なっ…離して…!』

『一夏、抱かせて。』


きつく抱きしめて言ったら、抵抗が止まる。


『春季(はるき)、どうし…』

『お前を抱きたい、今すぐに…!』


キスをすると、一気に大人しくなった。目を見張って、頬を真っ赤に染めて、押し黙って。困り果てた一夏のその表情だけで、オレの下半身に体中の熱が集まった。




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