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ただそこに君がいた
第2章 いつからか
いつからだったろう…
オレが一夏を遠ざけ出したのは…?
別に、お前なんかいなくても平気だって。お前なんてマジ、全然大事じゃないって。そもそも幼馴染なんて、特別でもなんでもないだろって。
そう思いたくて、思い込んで、信じてた。
だけど…
『やぁ…春季っ…!あたし、もぉ…!』
『イクッ…はぁ、一夏…一夏ぁあ…!』
高校2年の夏。五月雨のあの日。
オレ達は初めて体を繋げた。
そこには確かに
『はぁ、はぁ…』
『一夏、こっち向け…』
『はぁ、は…ンッ…?!』
『…いいか、もう一人で泣いたりすんな。泣くのは…オレの腕の中だけにしとけ。』
『な、はぁ?…なん、で…?』
『………ブスになるからだよ。そんな顔、他の男が見たら引くに決まってる。』
確かにあった。
……それはひどく、不器用で
『よ…余計なお世話ッ!そんな都合よく、あんたの前でだけ泣いたりしないわよ!』
『じゃー泣くなっての。笑っとけ。一夏は笑った顔のが、いいんだから。』
……全然、上手く言えないけど
『なによそれ…』
『はぁ──めんどくせぇ。だから泣いても笑っても、ここにいりゃいいじゃんって。』
『ここ…?』