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ただそこに君がいた
第2章 いつからか
だけどたまに、道端なんかで会えば
『よー、元気か?』
『あれ、久しぶり。あんた、また背が伸びたんじゃないの?』
何の気なしに話もするし
『そーか?お前こそ少しは伸びたかもな、その短けぇ髪の毛。他は全く成長してなさそーだけど。』
『うっさい、しばく!』
笑って悪態もつく。
『それで春季は、こんなとこで何やってんのよ?』
『ふあぁぁ…駅まで迎え。彼女。超だりぃ。』
『へー?あんた、雨の日は基本ひきこもるのに。エラいじゃない、頑張って出て来るなんて!』
『ほんとにな…マジで雨だけはクソ嫌なんだよ。こんだけ文明発達しておいて、一方向からの防御しかなさない傘とかな。どんな達人がさしたって濡れんだよ。足元とかただの無防備なんだよ。見ろ、家出てたかだか10分ちょいのオレの足っ!靴下まで染みやがって!既に靴ん中ビチョビチョだよ!なんっなんだよ!』
『あーはいはい…雨ごときで女々しい男ねぇ。』
『マジで最悪…っ!彼女送り終えたら、ソッコー帰って寝てやるね!
で、そーいう一夏は?』
『あたしはこれから稽古!これでもまだ続けてんのよ、薙刀。』
『おぉ、そりゃ長いな。つか、師範ってまだ生きてんの?あの鬼バ…いや、クソクソ鬼ババ師範はよ。』
『あはは…もう、あんたまだそんなこと言ってるの?全然元気に決まってるじゃない!…っと、もう行かなきゃ。じゃあね!』
『おー。』
しばらく話して自然に別れる。
そんな、普通すぎる間柄。