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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
「あのさ。さゆり…妻との決着がついたら、また、くるから…」

龍崎が重いボイスで、見つめている

ケイスケは、無言のまま、タバコをふかしてる

「そんな日…くるのかな?」

「……」

龍崎が無言で首を縦にふる

(期待しちゃうじゃない…)

「俺…最後最後って、延長ばっかして、ごめんな。」

ケイスケもまた、重たいボイスで、つぶやく

「二人とも、いいって…私こそ、仕事休むなんて、大人気ないこと、明日からしちゃうし…ごめんね。
許してね。ありがとう。楽しかった。新たなスタートに乾杯しよ!!」

3人は、静かに缶をつき合わせた

遠くの空が、うっすら朝日を連れてくるサインをしている
ビールを飲み干し、再びベッドに入った。
二人も、両サイドに横になっていて、私は、そっと目を閉じた

外から一日の始まりを知らせるかのように雑音が聞こえてくる

(あっ…もう、そんな時間なんだな…)

掛け布団が静かに動く感触で二人が起きたのがわかる

(行っちゃうんだな…)

寝たふりを続けていると、唇に柔らかい感触が二回、続いた

そして、鍵がポストに転がる音が響き、部屋は
静けさしかなくなった

(サヨナラ…龍崎さん。ケイスケ)

布団を顔まであげて、静かに涙を流した

泣き疲れたのか、いつの間にか眠りについていた

(あっ!!)

目を開けると、窓の外は、薄暗く
朝か夜かわからなかった

(いけない!今、何時?仕事…)

飛び上がって、シャツを掴むと、ゆっくり昨夜の記憶が頭を駆け巡った。
時計をみると19:00過ぎていて、朝から熟睡してしまったことに、ようやく気がついた

(あ~。無意味な抵抗有休中だった…)

冷蔵庫をあけ、水を飲み干す。
シンクもテーブルも綺麗に片付けられている。

(あの二人…片付けていってくれたんだ…)

空のグラスに、再び、水を注ごうとすると、水が少ししか入っておらず、喉が潤ってない状態に、もどかしさを感じていた

(水…買いに行くか…)

だらだらと、着替えてお財布とケータイをジーパンのポッケに突っ込み、コンビニに向かった

(頭…まだ痛いな…)

二日酔いと筋肉痛を感じながら、コンビニのかごに適当に商品を投げ入れ、レジに置くと、ケータイが鳴っていた

会計を済ませて、ポッケからケータイを取りだし、確認しようとすると、また、ケータイが鳴った



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