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元セフレの上司が帰ってきた
第3章 縺れる糸達
赤いランドセルが歩いているような、小さな女の子の手をとり、隣の家の前に行く。
苗字がわかるようなヒントもなく、下のポストなら名前がかいてあったかもしれないと、思いつき、もう一度エレベーターの前に行く。

しゃがんで、ゆあちゃんの目線に高さを合わせると
小さな手が、力一杯、私の手を握っている

「今から、名前を確認してくるから、さっき行ったお家がね。ショウくんのお家だったら、おねぇちゃんの家で、ゆあちゃん待ってます。って手紙書こう」

「うん!!」

(良かった…やっと笑顔になった…でも、ご両親、わかってるのかな?)

エレベーターを降りて、ポストを確認すると隣のルームナンバーに S.Takaseの表示があった。

「良かったぁ。あってるよ。ピンポン押して、いなかったら、おねぇちゃんの部屋でお手紙、書こうね。」

「うん!!!」

再び、ショウくんとやらの家に行き、インターフォンを押すものの、不在の様子であった

部屋に入り、椅子に座るよう、ゆあちゃんに言うと、落ち着きのない様子で、キョロキョロ部屋中を見渡している

「お手紙書こうね」

便箋と鉛筆を渡すと、嬉しそうに書き始め、私も、預かってる旨をメモに書き、ドアに挟んだ

(ショウくんとやらが、帰ってこなかったら、どうしよう…)

「ゆあちゃんさ…なんか食べる?」

「うん」

「オムライス好き?」

「好き~!!」

「じゃ、オムライス作るから、お絵かきとか~宿題とか~してて~」

「うん!!」

(かわいいな…)

ご飯を作りながら、時折、ゆあちゃんの様子を確認すると、真剣な表情で漢字ドリルと向き合っていた

「で~きた!!さっ。ゆあちゃん。この時計の長い針が7のところにきたら、お片付けして、ご飯にするからね~」

「うん!!」

(素直な子で、かわいい…なんで、一人で、ここにきたのかな?)

「おねぇちゃん!!7になったから、お片付けする~」

「は~い。お願いします。」

オムライスとスープを出し、プリンを最後に出すと
目がなくなるほど、嬉しそうにスプーンを手につかんでいた

「せ~の。いただきますっ」

オムライスを頬張りながら、ニコニコしている表情に、心を開いてくれている様子が伝わってきていた

「ねぇ。ゆあちゃんさ。。。ショウくんとは、どういう関係?」

「ゆあの、新しいお兄ちゃん!!」

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