この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妄想シンドローム
第4章 愚者の後悔
実のところ、ルルをこの三日風呂には入れていなかったのだ。というのも、ルルからは不思議と体臭がせず、そればかりか女の子特有の甘い香りまでして。
汗も掻かないらしく、肌はベタベタとしないものだから入れていなかった……というよりも、避けていたというのが正しいかもしれない。
総一は仕事や私生活においてうだつが上がらないが、肉体は正常で健康な男だ。ルルが素っ裸で総一のベッドで寝ていた時はあまりの驚きと混乱で、性欲はふっ飛ばされていたが、徐々に慣れてきてしまっている今、彼女の裸を見て欲情しない自信がなかった。
しかしよくよく考えると、ルルは排泄はするのだ。トイレットペーパーで拭いていたとしても、汚れていくわけで。
いつまでも避けてはいられないだろうと思っていたところにこの様だ。
「ルル、お風呂入ろうか」
「おふろ?」
動物がするような仕草で首を高速で振り、水分を払う彼女の腕を取る。
「そう、お風呂。そのままじゃ風邪ひくし、お風呂に入ってあったまろうね」
「にゃ?」
「あはは、解らないよね」
びしょ濡れのルルを脱衣所へ連れていき、服を脱がす。猫を思わせるしなやかな白い肢体に、総一の喉が上下する。
お尻から生える尻尾がゆらゆら揺れ、なるべくそちらに気を留めるようにするが、どうにも胸の柔らかな膨らみや恥部へと目がいってしまう。
.