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妄想シンドローム
第4章 愚者の後悔




 総一は上着を脱ぎ、Yシャツとズボンの裾を捲り上げるだけで、裸のルルと浴室へ入る。湯船にお湯を張りつつ、シャワーの湯を彼女の身体に当てる。


「にゃー!!」


 驚いたルルが総一に抱き着く。膨らみが布一枚隔てて、総一の身体に感じた。途端、総一の息が詰まる。


 思い起こすと別れた彼女とも暫くご無沙汰だった。ルルが来てからの三日間、自慰だってしていない。


 おかしな気分になりそうなのを、いかんいかんと首を振って鎮める。


 ルルは人間ではないし、年齢は不明だが容貌からして総一より随分と年下なのは明白。獣姦にわいせつ……ルルにうっかり手を出せば、いくつ罪を犯すのか。


 途切れそうな理性に言い聞かせ、ルルの肩を押して身体を離す。


「ごめん、ごめん。ビックリしたよね。このお湯をこうやって身体に当てて、今からルルを洗うの」


 シャワーの湯を自らの掌に流して見せてやる。


「う?」


「難しいか……。怖くない。痛いこともしないから、じっとしてるんだよ。解る?」


「うー……わか、る。ソーイチこわいこと、いたいこと、ルルしない」


「そうそう、総一はしないね。だからほら、ここに座って動いちゃ駄目だよ」


 ルルは総一の言う通りに床へ座り、膝を抱えてフルフルと震えている。寒いのか、それともまだ怖いのか。どうであれ、シャワーが怖いものではないと解りさえすれば、慣れてしまうだろう。






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