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妄想シンドローム
第7章 意外な正体
行為が終わり、気が付くと観覧車は到着間近だった。
総一は慌てて呆とするルルの服の乱れを直し、足元で絡まるズボンと下着を履いた。
だが乱れた息を整える間もなく到着し、係員によって扉が開かれる。
「おかえりなさーい」
爽やかな声で迎えられると、いたたまれない気持ちになってしまう。
昼日中には子供連れの家族だって乗る場所で、自分たちはふしだらな行為をしていた。今さらながらに罪悪感が脳裏を掠める。
足取りの覚束ないルルの手を引いて、いち早くその場を去ろうとすると。
「あ……。ソーイチの溢れてきちゃった」
まだ上気した顔をしているルルが、足の付け根を押さえてもじもじとした。
総一は言葉を失って固まり、係員は唖然として総一とルルを交互に見る。
その彼と視線がぶつかり、総一は青くなるやら赤くなるやらだ。
「あは……あはは。何言っちゃってんでしょうね」
と引き攣った笑いを残し、総一は逃げるようにルルを伴ってその場を去ったのだった。
◇◇◇◇
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