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妄想シンドローム
第3章 類はなんとやら
衝撃のあまり、暫し放心する。
表紙でこれなら中身はもっと過激なことは、容易に想像出来た。
興味半分、怖さ半分で、別の本に手を伸ばす。今度の表紙は少女が二人描かれている。一人はグラマラスな体系で、一人はほっそりとした肢体だ。
彼女たちは見る者を挑発するような視線を向け、頬を寄せ合って抱き合っている。恰好はやはり裸同然の下着なのか水着なのかを着用するのみ。
ビニールで包装されていなければ中を見てみたいところだが、並ぶ本はどれもきっちりと閉じられていた。
他にも何冊か表紙を眺めているうちに免疫が備わったのか躊躇いもせず、横に移動しつつ興味の湧いたタイトルを取ってみていた。
あまりに集中していたのと場の空気に慣れてきていたため、移動の際に周囲を確認するのを怠り、横に人がいたのに肩がぶつかるまで気が付かなかった。
軽く衝撃が身体に走り、「あっ」と思って慌てて謝る。
「すみま……」
マスクからくぐもった声が発せられるが、途中で途切れる。
謝った相手が驚く恰好をしていたからだ。
まるで自分を鏡で見ているような姿。目深に被った帽子にマスクとサングラスという出で立ち。
相手も驚いているのか凍り付いている。
そして。
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