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妄想シンドローム
第3章 類はなんとやら
せっかく電車まで使って書店へと足を運んだのに、由奈と会ってしまったことで、目的の物を買えなかったから彼女の申し出は正直助かる。
早速この後由奈の家へと行き、彼女のコレクションだという18禁漫画の数々を拝ませてもらうことになった。
由奈の自宅は北欧を思わせる素敵な住まいだった。庭には手入れされた花々が咲き、木彫りの置物が可愛らしさを強調している。
その外観から窺えることは、由奈はなかなかのお嬢様ということ。
道中に聞いたのだが、兄はすでに独立して家を出ているらしく、二階は由奈が占領しているとのことで羨ましい限りだ。
内装もまた素敵で、アイボリーとネイビーのツートンカラーの壁紙。広々としたリビングから続くのは、テレビでしか見たことのないカーブする階段。
置かれている家具はどれもお洒落で品が良く、杏璃は圧倒された。
両親は出掛けていて不在の家で、由奈は杏璃を二階のとある部屋へと案内する。
その部屋には鍵がかけられており、由奈は財布から金色の鍵を取り出した。その鍵もまたレトロで何ともお洒落だ。
「ここは私の秘密のお部屋だから、両親も入ったことないのよ」
ウインクする由奈。
大体は想像がつく。この扉の先にはアレが埋め尽くしているんだろう。
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