この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妄想シンドローム
第3章 類はなんとやら



 春馬は咳払いを一つする。


「いいか。もし一人称を選ぶなら、これだけはやるな」


「は、はい。何をでしょう?」


「“私は樹月杏璃、十九歳。この春から大学に通う女子大生!”なんて馬鹿丸出しの書き出しだけはやめろ! 目も当てられん!」


「うぐっ」


 ぼんやりとだが杏璃が考えていた書き出しそのものを言われ、ショックを受ける。


「それのどこがいけないの!? 人物設定がわかり易くていいじゃない!」


「お前は普段から心の中で自己紹介をしてるのか!? 誰に向けてだ!? あぁ? 脳内に彼氏でも飼ってるのか?」


「飼ってない! 流石の私でもそこまで痛々しくありません!」


「だろ? 一人称の地の文は、視点の人物の心の声だ。俺はネット小説も時々読むが、この間違いをやらかす初心者がまぁ多いこと多いこと……。書き出しでそんなのがあったら、はっきり言って俺は読む気が失せる。誰に向けて紹介してんだよ、ってな」


「そんなんで読むのやめるのって、心狭くない? 続きの展開はめちゃくちゃ面白いかもしれないじゃない。実は物語は壮大かもしれないじゃない」


「人物の名前すらを自己紹介という形で手抜きする小説に、展開の面白さや壮大さを求めろって? 技術がないなら工夫と発想でカバーしようともしてないのに?」







.
/248ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ