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want to be ...【短編集】
第7章 温泉旅行 3日目
「来れてよかったな〜」
「うん…」
優しい声に嬉しくなって、蒼汰の身体に腕を回す。
あたしはね?蒼汰。
4人で来れた事が一番嬉しいなって思ってるよ。
もっとこの4人でいろんなところ行きたいな。
そこでふと思い付いて、蒼汰を見上げた。
「ねぇ蒼汰。次はこの4人で夢の国行きたい」
「…ん、いいな。行こうか」
「…え?ほんとっ!?やった!夢の国〜!」
「うんうん」
「海の方でもいい〜!」
「どうせどっちもになるだろ」
「ええ?何で」
「美咲も行くんなら絶対そうなる。
あいつ海の方大好きだから」
「そうなんだ!」
「ちなみにあの夫婦は年パス持ち」
「へ?…えっ!?嘘!」
「ほんと。毎年結構行ってるよ、何とかって熊買いに」
あぁ…あのキャラクターか。
いいなぁ…何回も行ってるんだ。
あたしは両親が生きてた時に家族で1回行ったのと、高校の友達と行った数回と、蒼汰との1回だけで…
高校生の時に結構行ったけど、それも高2の初めくらいまでだったな。
高3は学校以外はこの人とほぼ毎日ベッドにいたし…
「今度こそ被り物つけようね?」
「やだ」
「何で!絶対似合うってば、被ろうよ〜」
「絶対いや」
「被ろ〜」
「…お前それ、大樹にも言えよ?
よし…はい無理絶対無理。想像出来ません。
…あぁ。大樹も被るんなら被ってやらない事もない」
「…卑怯だっ」
「ざんねーん」
「んんん」
頬をタコのように潰され、背中をべちっと叩く。
「でもさぁ蒼汰前に、大樹さんは美咲さんのお願い
絶対断らないから、美咲さんに言って貰えば
解決するって言ってたよねー?」
「…。…、そんな事言ったっけ」
「何回も」
「やべ」って感じで顔が歪んでる蒼汰に優越感。
「…い、いや。流石の大樹でも美咲のお願いでも
それは聞かないだろ。絶対聞かない」
「美咲さんのお願い顔、すっごく可愛いんでしょ?」
「…」
「可愛すぎて断れないんでしょ?」
「…、」
「マジで勃つ、んだったよね?」
「…っ」
「わざとらしくなくて自然で可愛いんでしょ?
長年一緒にいた俺が一番分かってる、んでしょ?」
「…っ!どこまで覚えてんだよ!」