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want to be ...【短編集】
第9章 専属お料理教室
杏奈SIDE


「きゃーーーーーーっ!?」


甲高い悲鳴が室内に響く。


声の主は紛れもなくあたしのもので、彼の…もはや奇行と呼べる行動を慌てて止めた。


「ちょっ嘘でしょなんで??
どうしてそれ入れようとしたの!?」


「は?玉ねぎ入れるんだろ?」


「…誰がそのまま入れろっつったの?」


思わずちょっと荒れた冷たい口調になってしまったけど仕方ない。


…いくら料理したことないからって玉ねぎを皮むかないで入れようとする人いる?


しかも油の中に。


たまたま視線を映した先にそんな光景があったものだからすんでのところで抱き着いて玉ねぎ奪ったけど仕方ないよね?


あたしのあまりの勢いに若干引いてるらしい彼…蒼汰が怪訝な顔で見てくる。


「玉ねぎ炒めてっつったじゃん」


「…」


ああえっとつまり、


炒める = 揚げる


だと思ったんだろうか。


…そっか説明そこからか!


「えっとねまず玉ねぎの皮剥くんだけど、
こことここ切り落とすのね、食べられないから。
それでこの周りの皮を白い部分出るまで剥いて、」


「それくらい分かるわ」


そりゃあ失礼しました。


蒼汰がたどたどしい手つきで皮を剥いてる間、レンジで解凍を終えた合い挽き肉を取り出し、解凍加減を確かめて。


引き出しからボールを出して、冷蔵庫から卵とパン粉と牛乳、…はきっと後でいいな。


冷蔵庫の扉を閉めて蒼汰を振り返ると、


…また叫びかけた。


「っちょおおお!えっ誰か殺すの!?」


包丁を両手で持ち高く掲げ、恐らく振り下ろそうとしてた蒼汰に声をかける。


「あ?」


首だけ振り向いた姿が怖い、めちゃくちゃ怖い。


「前に持ち方教えなかったっけ…」


「だって片手より両手でした方が切れるだろ」


「…何のために手が2つあると思ってるの?」


冷静につっこんで、とりあえず腕をおろさせてまた1から包丁の持ち方を教える。


「右手はこう。持ち方はいろいろあるんだけど
とりあえず無難に握って。…力はいらない。
左手はこうやって丸めて。猫の手みたいに」


分かりやすく片手で形を作り顔の横で見せると、「可愛いな」と言われる。


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