この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
want to be ...【短編集】
第2章 ペアルック
名前を呼んで出て行って、腕を絡めた。
『もう、どこ行ってたんですか!探しましたよっ』
そう言って男の人達から、蒼汰を離した。
『…余計な事を』
『余計じゃないです、
ああいうのはほっとくのが一番ですっ』
『…美咲の事言われたのにか?
あんなバカにされて、平然でいられる方が凄ぇよ』
『でも暴力は振るっちゃダメです!』
『何もしてねぇだろうが!』
『しそうだったじゃないですか!』
『…ッチ、何なんだよムカつく…っ』
『あっ』
絡めた腕を乱暴に離されると、腕を強く掴まれて早足で歩き出した蒼汰。
『…じゃあこの収まらないイライラ、
お前に全部ぶちまけてやる』
『…っえ』
そして空き講義室に連れてかれて鍵を閉められ、2講義分ひたすら犯され続けた。
…懐かしいな。
あの後どうしたんだっけ?
蒼汰に先に出てかれて、さんざん泣いた後よろけながら講義室出て…
そのすぐ後に、授業以外の時の講義室、使用禁止と立ち入り禁止になったんだけど…間違いなくあたし達のせいだよね…?
っていうかあたしのせいだよね、床に飛び散った体液そのままにして出て来ちゃったから。
そ、その節は本当に申し訳なかったです…
あの講義室、今何の授業で使われてたっけ…
そんな事を考えながらいると、突然蒼汰が立ち止まって、勢いよく蒼汰の背中にダイブしてしまう。
「っぶ!?」
突然の衝撃に驚いて、鼻をさすって蒼汰を見上げる。
「いったぁ…」
その途端、振り返った蒼汰に思いきり抱き締められた。
「…っ!?」
頭がついていかない。
…え、あれ?
あたし…抱き締められてる?
こんな人通りが多い町の中で?
な、何で何で!?
鼻に手をつけたまま固まってると、深いため息を吐いてあたしを更に強く抱き締める蒼汰。
「危なかった…」
耳元で囁かれた言葉に首を傾げる。
危ない…?
何かこの先に危ないものでもあったのかな。
「…またやらかすところだった」
やらかす…?
「ごめん、杏奈。
また俺…お前酷い目に遭わせるところだったわ。
でももう絶対、あの時みたいにお前を傷付ける事は
しないから…、信じて…」
レイプの事を言ってるのかな…
蒼汰は、変わってくれたんだ。