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want to be ...【短編集】
第5章 温泉旅行 1日目






「こんないっぱい…ありがとう、蒼汰」


「おう、礼は身体で返せ」


「…言うと思ったよ」


「だってどうせ脱がすの俺じゃん?」


「…えぇ」


上機嫌でケラケラ笑ってる蒼汰。


いつもより多いボーナスを貰ったらしく。


「おい杏奈、出掛けるから準備して」


「え、どこ行くの?」


「お前の服買いに」


「…えぇっ!?」


「だって見て、ほら。すっげーボーナス入ってんの!」


「ほんとだ…」


あたしに給料明細を見せてくれて喜んでた。


「もっと貯めて車買うわ」


出る前からかなり上機嫌だった蒼汰は、ショッピングモールに着くと更に上機嫌であたしの服を選んでくれて。


「あっいいじゃん。すげー似合ってる」


…照れるんですけど!


って具合で行く店行く店で服を買ってくれて、あたし達の両手には大量のショップ袋。


「…ね、ほんとにいいの?こんなに」


「いいよ、帰ったらベッドな」


「…言い方が身体目的みたい」


「んな訳ねぇだろ、身体目的だったら結婚しねぇわ」


「…うぅ」


凄く嬉しい事言ってくれてる…


「なーんかさ、新婚旅行でいろいろ行ったけどさ。
やっぱ日本が一番って思うの俺だけ?」


「あっ、それ!あたしも思う!
白米と味噌汁食べなきゃ始まらないよねっ」


「あと漬物。日本食が一番だわ」


「ふふっ、まともに食事してなかったのにね?」


「おう、お前のお陰だ。
…よし。今日は特別に優しく抱いてやろうかな」


「…とか言いながらどうせ明日立てなくするんでしょ」


「当然。何なら今買った服のどれか着てヤろうよ。
男は脱がせる為に女に服買うんだぜ?」


「はいはい。…って嫌だよ!何でっ」


そんな卑猥極まりない話をしながら歩いてると、下の階が何やら騒がしい。


「何、何かやってんの?」


蒼汰が手すりから身を乗り出して下を見て、


「あぁ…」


と呟く。


「何?何やってるの?」


「ガラガラ。ほら、服買う時に貰ったくじ。
あれで出来るやつ」


「…えっ!?やろうよ!めちゃくちゃ貰ったよね?」


「えぇどうせティッシュじゃない…?」


「あたしが回すから!ねぇやろ〜」


「だってお前、あの列並ぶの?」


「いいじゃんか〜!」


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