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want to be ...【短編集】
第6章 温泉旅行 2日目
「…、」
…この、眠りからふっと目が醒める感じ、好きだな。
ゆるゆると意識が上がってきて、ふわっ、て目が醒める、この感じ。
肌ざわりのいい、温かいお布団に包まれて…もっと言えば、蒼汰の腕枕と長い腕に包まれてて。
凄く幸せな気分…
心地よくて、また寝ちゃうんだよね…
…、寝ちゃう…
「…!!」
閉じかけた目を思いきり見開き、身体を起こそうとしたけどそれは叶わなかった。
「…っい」
信じられないくらい言う事を聞かない身体。
起こそうにも力が全く入らなくて、更に、頭が冴えてきたついでに遅れてやってくる倦怠感と快楽に、眉を寄せた。
…あぁ、そうだった。
今あたし達は温泉旅行に来てて、昨日蒼汰にものすごく濃厚に抱かれたんだった…
また寝ちゃうとか幸せな気分とか呑気な事考えてる場合じゃなかった!
既に外されたらしい、あたしの目を覆ってた布。
顔だけを何とか動かして腕を見ると、腕の拘束も解かれていて、自由に動かせる。
隣を見ると、安らかな寝息をたててる我が旦那。
綺麗な胸板が規則正しく上下していて、昨日あたしを恐ろしい快楽に突き堕とした下半身は布団の中に隠されてる。
「…蒼汰」
掠れた声で名前を呼び、起きない事を確認。
「こん…の、バカ」
「ねぇ、起き上がれ…ないよ」
「どんだけしたのあたし達…」
「ちゃんと責任とってよね…っ妊娠、してたら」
「もう絶対やんないで…目隠し」
「周りの部屋にまで、響いてたらどうすんの…」
「この…んんっ、絶倫男…」
途中で喉が変になったから咳払い。
「あたし身体持たないよ…」
「今日も目隠しなんて言ったら逃げるから…」
「…、ちょっとだけ。ちょっとだけ…
悲しかったんだからね、腕動かせないの…」
「…何で?」
「蒼汰の事、抱き…、…っ!?」
突然響いた低い声にビクッと身体を震わせる。
隣を見ると、蒼汰が寝ぼけ眼をこすっていて。
「な…っ!?い、いつから…っ」
「この絶倫男、からかな。…ふぁあ」
言いつつ髪を掻き上げ、欠伸をこぼす蒼汰。
…色気がすごい。