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want to be ...【短編集】
第6章 温泉旅行 2日目






背中に腕を回されたかと思うと抱き上げられ、繋がったまま蒼汰の膝に座らされる。


「…はあ、はぁ…びっくりした…ぁ」


なぜか息切れして、蒼汰に強く抱き着いて肩に顔を埋める。


何か今…、変なイき方した…


ふぅ…と息を吐いてイった身体を慰めてると、蒼汰があたしの髪を撫でる。


「…くっしゃくしゃ」


「誰のせいよ…」


「ごめんごめん」


優しく髪に触れる蒼汰の指。


ときどき指に引っかかると、1本1本ほどいてくれる。


「ね、俺の髪も撫でて」


「…何でよ」


「ん、したかったんじゃないの?
抱き締めたり、髪触ったり」


「…」


したかった…けど。


ムスッとしながら蒼汰の髪をいじる。


嗅ぎ慣れないシャンプーの匂いがして、温泉の使ったんだなーと思いながらくしゃくしゃっとしてみる。


「…ねぇ」


「ん?」


「…」


向かい合わせになって、蒼汰があたしを見つめてきたから見つめ返した。


…こんな長い時間、この人の顔見つめた事あったかな。


あたしこんな綺麗な人と結婚してるんだな、としみじみと考えながら、髪から頬に手を滑らせる。


「…あたしより髪柔らかい。むかつく」


「…いぃって!」


頬を膨らませて蒼汰の髪を引っ張ると、大袈裟に痛がるから笑ってしまう。


「ふふっ…あははっ!」


「ちっ…てめぇ、何笑ってやがる…」


「あはははっ…」


笑いながら、また涙がこぼれてきた。


「なんで泣くの…泣き虫杏奈」


「…っふ、うるさい…っ」


「ほら、泣きやめ」


優しく髪を撫でられて、泣きやめる訳がない。


しばらく泣きじゃくり、少し落ち着くとふと顔を上げる。


「…っひっく。…っん、蒼汰ぁ…」


「ん…?」


優しげな声が、あたしの耳に響く。


「今思った事言ってもいい…?」


「…ん。なーに」


「好き…」


そう言うと、蒼汰が息をのんだ気がした。


最近、この言葉を蒼汰から聞いてないし、あたしも言ってない気がした。


…やっぱり、こういう言葉は口にして伝えたい。


「蒼汰、好き」


「…」


「好き…です」


蒼汰と目を合わせて言ってみる。


…と、口角を上げて笑った蒼汰にドキッとした。


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