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逢瀬は月見橋で
第1章 月見橋で・・

鼻からも口からも息をはきだし荒い呼吸を繰り返す男は、
後ろからあたしを抱きしめる。

ワンピースの生地が湿ってきた。
お尻の辺り。
それは腑抜けになったカレにまとわりついている、あたしの蜜のせい・・


それにしても・・
なんて愛おしそうに抱きしめてくれるんだろう、この男・・

腕を絡めて、首筋に唇を滑らせ、頬も撫でてくれる・・
久しぶりに感じる心地よさだった。


「こんなにいいオンナなのにね・・旦那、アホだな、浮気するなんて」


男の声にうっすらと笑みを浮かべながら、
背を向けたままブラのホックを止める。
ワンピースの釦も全部止めてから男の方に振り返る。

穏やかな眼だ、彼の目は・・


「ありがと。行きずりの相手がそんなふうに褒めてくれる男でよかった。あ、下着・・」


手を差し出し彼が握りしめて持っていてくれた
ショーツを返してもらおうとすると、男は
その手を後ろに回して子供みたいに隠した。



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