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逢瀬は月見橋で
第1章 月見橋で・・
あたしが・・
夢中になって走り続けてたどり着いたのは、
人けのない小さな橋。
月夜がうっすらとあたりを照らし、
虫の声だけがうるさいくらいに響き渡っていた。
ハァハァと息の強弱もかき消されるくらいの大合唱。
そして手のひらをあてた膝を少し曲げ、立ち止って息を整えていたら
足は途端に重だるさを増していった。
もつれるような足取りで橋の欄干にもたれかかると、
コンクリートの冷たさが
薄手のワンピースを通り越してあたしのお尻に伝わってきた。
夜空を見上げようと顔をあげると、
第一釦を引きちぎられた胸元があらわになった。
きっと・・みっともない恰好だろう・・
はだけた胸、乱れ逆立つ髪・・
つい5分ほど前の出来事が
怒りと悔しさの渦を巻く・・・