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逢瀬は月見橋で
第1章 月見橋で・・


「・・・だいじょうぶ?」


突然聞えた声に、体がはじけた。
その声が右からなのか左からなのかもわからないくらい驚いた。


「なにがあったの?誰かに何かされたの?」


再びの声に、やっと方向を確認した。
あたしの左側に一人の男が立っていた。


髪は顎くらいまでの長髪で、細面の女っぽい顔つき。
大きめのシャツのボタンを全部外してあって、足元はゴムぞうり。

夕涼みにでも来たのだろうか、そう思わせるような服装だった。


「そんなにみっともない恰好?あたし・・」


男の方に体を向ける。
はだけた胸からブラジャーが顔をのぞかせてしまった。
でもお構いなしであたしは男を見つめた。


「何かあったって格好だよ・・
 男に・・乱暴されそうになったの?」


淡々とした口調は耳に心地よかった。


「つかみ合い・・」

「え?」




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