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逢瀬は月見橋で
第4章 男の正体は・・
「わかったよ、先生はあくまでも助けてくれる人・・
あたしの体が困った時にまた逢瀬・・
あ、でも逢瀬って、恋愛関係にある者同士が会うって意味だから
今度は診察って言ったほうがいいのかね」
「へぇ!よく意味知ってるじゃない?意外と博学なんだ」
「また!意外って言った!もう!」
軽く正次郎の胸をたたく。
子供みたいに甲高い声をあげて彼は笑う。
「ごめんごめん!もう何があっても意外なんて言わないから」
手を引きスキップしだした正次郎につられてあたしもスキップする。
誰もいない道の真ん中を踊るように歩いていく。
まばらだった街灯の数が増え始めたところで正次郎は手を離した。
「じゃ、ここで。気を付けて帰りな」
離した手を軽く上げた正次郎に、
「診察・・ううん、やっぱり逢瀬でいいや、逢瀬がしたくなったら
また月見橋へ行くよ。
で、会えたら診察してもらう・・まあ当分大丈夫だろうけどね。
じゃあね、おやすみ」
正次郎に背を向けるとあたしはまたスキップしだした。
月のスポットライトを浴びながら。