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運命という名の恋
第2章 命
「あの。私、柳下さんとお付き合いすることになったんです」

上杉さんはお酒のせいで赤い顔が
みんなに誤解されるように頬を染めているようで
そっと俺のYシャツの袖口をつかんで後ろに隠れた。

こんなところで、そんなにはっきり言っていいのか?
明日には広まってるぞ!

あぁ・・・と思ったときにはすでに遅し。
みんなが驚いて騒ぎ出した。

加藤さんと山口だけはニヤニヤとして。
助けてほしいと視線を送ったのに
分かっているはずなのに手を貸してくれない。
全くあの二人は。

いい加減、この騒ぎから逃げ出そうと
支払いを済ませ、さっさと二人で店を抜け出した。

みんなが来る前に、と早足で駅まで向かう途中で
少し遅れてついて来る上杉さんに気付いて
速すぎたか?と思ったら、どうやら足をひきずっていた。
ん?と思って注意してみると足が痛いようだ。

目についたコーヒーショップの1番奥の席に上杉さんを座らせて
珈琲を注文したあと
「足を見せて」とその場にしゃがみ込んだ。

「え?え?」

「足。痛いんだろ?みせて」

そういって半分強引に靴を脱がせれば
見事に小指の横が靴ズレを起こしていた。

「あ~これは痛いな」
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