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運命という名の恋
第5章 逢
「けどね。鎌田さん。
俺ら経管はこの事を忘れないよ。
上から何か鎌田さんの事で意見を求められた時には隠さずに言う。
プライベートだと開き直るなら、上にそれが通用するのか自分で確かめれば良い」

圧倒的な威圧感でツートップがニヤリと笑った。

怖っ。
この二人は絶対に敵にしたくないな。

「はい。鎌田さん、お帰りです。永田!いくらか計算しろ」
山田さんが鎌田さんのかばんを無理やり持たせて立ち上がらせた。

「3500円です。それから大将から伝言です。
この店に出入り禁止だそうです」

経理部らしく真面目に言うセリフに周りが笑った。

鎌田さんが帰っても、俺の胸から顔をあげない由紀は
騒ぎを起こして恥ずかしいんだろう。

「すみません。俺たちもこのまま帰ります。
皆さんすみませんでした」

そう謝れば、みんなこれ以上由紀に気を使わせないために
わざと騒ぎの前の雰囲気に戻って飲みだした。

一連の流れを経管の課長が小さく笑って見ていた。
課長が出ればもっと綺麗に、役職という力で抑えつけられるかもしれないのに。
きっとツートップのお手並みを拝見したんだろう。

経管の人は常に試されているのかもしれない。

笑って俺たちを送り出してくれた経管のツートップを
大変な部署だな。なんて改めて思った。
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