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運命という名の恋
第1章 運
にこやかに誘っている男性社員をかわし
こっちに小走りでやってきた。

「忙しいのにスミマセン」
そう言って笑う笑顔は確かに自分に向けられていると思えば悪くない。

「いつもの居酒屋でいい?」
そう聞けば、少し考えて
「他のお店でもいいですか?」
というので、いつも一人で飲みに行く小さい料理屋に連れて行くことにした。

二人でエントランスを出るのを帰り間際の数人が
物珍しそうに見ていた。

ああ。これで明日は噂されるか。
そうぼんやり考えていて
いつもの居酒屋とは反対方向の少し歩いたところで
裏路地に入って、お店に入った。

「こんなところに料理屋さんなんてあったんですね」
「まぁ、みんなあっちに行っちゃうからな」

美味しい割に混んでいないその店はゆっくりできて居心地がいい。

「で?今後って?」
「はい。実は・・・」

と、そこまで言って言いにくそうなので
ビールをグッと飲んで間合いを取った。

「私、男性嫌悪症なんです」

「は?」
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