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運命という名の恋
第1章 運
「男性恐怖症?」

こんなかわいい子が?
そう思って聞き返せば

「恐怖、ではありません。嫌悪、です」

どう違うんだ?
「別に怖くはないです。気持ち悪いんです」

気持ち悪い・・・って。

「そうなった理由に心当たりは?」
「う~ん。気が付いたら、そう思ってました。
中学生ぐらいから、先輩とかがやたらにかまってきて。
理由を付けて手に触ったり、近寄ってくるので
気持ち悪いと思い始めたのがきっかけかもしれません」

あぁ。モテ過ぎてたって・・・ことか?

「だから彼氏を作らないの?」
「作らないというより、気持ち悪いです。男って」

あぁ・・そう。

「何かと触ろうとしますよね?
何かと二人になろうとしますよね?」

「まぁ、ね」
「気持ち悪い」

そう言って上杉さんはかわいい顔をゆがませた。

「で?」
「はい。でも、柳下さんは運命の人を待ってるんですよね?」
「まぁ」
「なんか、ガツガツしてないというか・・・安心できるというか」
「・・・・」

それって男としてどうなんだよ。

「私、唯一大丈夫な男性が父と兄なんですけど」
「・・・・」
「柳下さん、兄のような感じなんですっ!」
「・・・・」
「だから、しばらくでいいので、フリをしていただけませんか?」
「・・・・」


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