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第11章 color

アキとの関係を持ってから、
いろいろと気づかされながら、
思い出したら辛くなるのは分かってはいるが、
封印してしまいたい過去も蘇る。


元彼の誠治さん。


誠治さんと私はいわゆる合コンで知り合った。

私が務める建設会社のコンピューターシステムを作っているのが、誠治さんの務める会社であり、
たまたまシステムの点検に来ていた、
誠治さんの同僚のである沢口晴彦に、
同期の西園寺優奈が声を掛けられて、
週末のお疲れ飲みを兼ねて合コンが開かれた。
優奈に声を掛けられた、女子メンバーの中に私が居たんだ。


優奈は我が社の受付嬢であり、
美人でスタイルも良く、
明るい笑顔も人を和ませ、
華のある女性。

その頃の私は、
名前が華なのに、
華もなく、
誰が見ても名前負けした女。
そういう合コンに声を掛けられても、
引き立て役は覚悟の上。
人数合わせに呼ばれる事もアリ。


それでもさ、
僅かばかりの小さな期待くらいはするのよ。


週末に時間を気にしないで、
同僚とお酒を飲んだり話したりする雰囲気が好き！
なんて言ってしまうのは建前よ。

女だからね、
突然、恋が始まるかもしれないチャンスを、
楽しみにしちゃつたりするんだ。