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溺れる恋は藁をも掴む
第12章 恋に落ちる時
目覚めは良かった。
朝シャンを浴びて、
サッパリした気持ちになる。

シャワーを浴びてから台所を覗く。

お母さんが朝ごはんの支度をしていた。

「あら、華早いわね。
休みの日はいつもならゆっくりなのに」

声を掛けられた。

「たまにはね」

「いいことあった?」

女の勘は鋭い。
お姉ちゃんがお嫁に行ってから、
この家には、お父さんとお母さん、私の三人家族。
私の両親は、子供にあんまり干渉はしない。
娘はいずれ嫁に行ってしまうから、
老後は二人で楽しみたい両親。
いつまでもラブラブで、
私から見たら理想の夫婦が、
私の父と母。


「ないさー」
と私が笑うと、

「あら、そう」
残念そうに言う母。

休みの日の父は朝はゆっくりめに起きる。
起きてから、お母さんの作る朝食を食べる。
母はそんな父を眺めながら、
一緒に朝食を食べる。
特別な会話がなくても、
二人の間に優しい空気が流れる。


私はこんな両親の元に生まれた。
だから、恋愛とルックスに苦労しても、
文句なんて言わない。

むしろ、こんな両親に育てられた、
私は幸せなんだと思う。

だからかな?
早く安心させたかった。


私が結婚出来たら安心するよね?
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