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溺れる恋は藁をも掴む
第14章 二十歳の恋
それからこの間の合コンの話にもなる。
マドカからも聞いていたし、
沢口さんも私が帰った後、
大人しくなってしまったみたいで、
今なら、もう少し大人げを出して笑い飛ばせてあげられたかな?なんて思ったりもした。

そんな合コンの反省点を私が口にすると、

「あれはあれでいい薬さ。
人は誰かに忠告されないと、
中々気づけないし、
されたとこで簡単に直せやしない。
簡単に直す事が可能なら、
世の中に善人が溢れかえって、
平和になり過ぎるかもね?」

誠治さんは言う。

「傷つかないで済むなら、
それにこしたことないですけど、難しいですね」

「柔軟な心なんて、
無理でしょ?」

「確かに無理かもですが、
黒崎さんは、私から見たら柔軟性のある人です」

「それは華ちゃんのかいかぶりだよ。
俺の心の中はドロドロかもよ?」

「そうは見えませんよ。
私は嬉しかっです。
あの時、黒崎さんに気に掛けて貰えたこと」

「そんなに喜んでくれるのは、
華ちゃんの心がピュアだからさ。
俺は華ちゃんのそんな部分が、
凄く可愛いと思う。

うちの妹は我儘でね。
何でも欲しがる。
直ぐに飽きる癖に、
友達が物珍しいものを持っていると、
自分も持たないと気が済まないらしい。
まぁ、与えちゃう俺も悪いんだけどさ。
手に入るものを何でも欲しがるのは、
欲張りだし、
口に出来るのは素直な証拠なんだけど、
我慢も足りなくなる。

華ちゃんは妹と正反対な感じ。
欲しいものがあっても、
口には出さない奥ゆかしさみたいなもんを感じたよ」
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