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溺れる恋は藁をも掴む
第15章 カルアミルクとビール
私はがっかりした。
掴んだ藁すらも、
もはや、この手から離した方が賢明に思えたから。

唇を噛み締め、
私は笑う。

高級フランス料理の味は、
私の舌には合わない。

あなたの口から、
私達の未来ある話など出てきやしない。

あなたは正直な人。

鈍感な私でも、
これがあなたとの最後の晩餐で、
誕生日の私に情けをかけたのが、
アリアリと分かってしまった。


食事が終わり、
会計を済ませて店を出た。

「いくらでしたか?」
店を出てから私が聞くと、


「華ちゃんへの誕生日プレゼントだから」

形の残らないものを選んだあなた。
でも、私はこの夜を記憶してしまう。

「有難う御座います」

「ごめんね。
明日は早朝会議なんだ。
帰ってからさ‥‥揃えたい資料があって‥‥」

遠慮がちな嘘があなたの口から出た。

「無理しないで下さい」

「本当にごめん」

「ごめんばかりですね」

イラっとした。
そして、無言で俯くあなたを見ているのが、
辛くなったわ。


「私は誠治さんと居て‥‥
苦しくなりました。
もう‥‥‥‥
無理はいらない」

私の口は本音を吐いた。
もう、限界。
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