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溺れる恋は藁をも掴む
第15章 カルアミルクとビール
「苦しい思いをさせて、
ごめんね。
華ちゃんに謝るしかない。
君をちゃんと愛そうと思った。
だけど、無理だったみたい‥‥‥
本当にごめんなさい」

あなたは深々と頭を下げて、
私に謝る。

私は振られた。
クリスマスの夜に。
21歳の誕生日の夜に。


冷え込む寒さの中で、
予期していた事を目の当たりにして、
現実を受け入れてゆくのは、
やっぱりショツクだった。


私は無言でその場を駆け出した。
これ以上惨めになりたくなかった。


走ってきたタクシーに手を上げて、
私は乗り込んだ。

とにかく、この場を早く離れようとした。

タクシーに乗った後、
行き先を告げたら、
急に涙が溢れ出し、
嗚咽が漏れそうな口元をマフラーで押さえた。


無口なタクシードライバーに感謝しつつ、
私は後部座席で溢れ出す涙を拭う。

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