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溺れる恋は藁をも掴む
第15章 カルアミルクとビール
多分、涙は枯れやしない。
悲しい、辛い、悔しいって時は、
分泌されてゆくもんだから。

目が腫れるほど泣いた。


クリスマスの夜から暇さえあれば泣いていた私を、香澄は心配して、仕事納めで会社を終えた後に時間を作ってくれた。

居酒屋でワンワン泣く私。

「よしよし、良くやったよ。
まぁ、飲みなさい。
仕事納めまでちゃんと会社に行った華は偉い!
明日からは思い存分、
泣いていいから」

オイオイ!まだ泣きなさいってか?

芋焼酎を飲みながら、
私を慰める香澄。
私は注文したグレープフルーツ杯も飲めないほど憔悴していた。


「だって‥‥‥私は‥‥好き‥だっ‥たんだも‥ん」

あーマジ格好悪い。
また涙が出てきた。
おまけに鼻水も。

「好きでもさ、上手くいかない事あるさ」

「分かっているけど、そんなの分かってるけど、
誕生日に振ることないじゃん‥」

私はまたムキになって泣く。

「泣くほど好きな男だったんだ?」

「好きじゃなきゃ、泣かないでしょ!」

「だね。
それくらい好きな男に巡り会えたんだから、
幸せって言えば幸せなんじゃないの?」

「幸せなわけないじゃん!
幸せって好きが持続する事じゃないの?」

「持続出来ない恋だったのさ」

「私がデブだからでしょ!」

「デブでブスだからじゃない?」


はぁ?
そんなにハッキリ言います?
私は傷心なんですぞ?

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