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溺れる恋は藁をも掴む
第17章 溺れる
試験に受かっても、
百合は店を辞めなかった。
俺は無性に寂しくなる反面、
何も言えなかった。
水商売をしている事と、
家族の話をしないという事を抜かせば、
百合はごく普通の女にすぎない。
派手じゃない生活。
どちらかといえば、倹約家で無駄なものは極力買わない主義。
部屋も、生活していくのに最低限なものしか置かない。
宝石だとかブランドものに興味があるようにも見えなかった。
唯一、仕事に着ていくスーツやワンピース、着物などが、ドレッサーの中に揃えてあるだけで、
普段はジーンズ姿の百合。
俺には言えない秘密も、
いつか話してくれるまで待つしかなかった。
俺は百合との将来があるって、
信じていたからこそ、
我慢するしかなかった。
本当は、
百合の事は全部知りたかったさ。
でも、聞いちゃいけない空気を百合は作った。
百合は店を辞めなかった。
俺は無性に寂しくなる反面、
何も言えなかった。
水商売をしている事と、
家族の話をしないという事を抜かせば、
百合はごく普通の女にすぎない。
派手じゃない生活。
どちらかといえば、倹約家で無駄なものは極力買わない主義。
部屋も、生活していくのに最低限なものしか置かない。
宝石だとかブランドものに興味があるようにも見えなかった。
唯一、仕事に着ていくスーツやワンピース、着物などが、ドレッサーの中に揃えてあるだけで、
普段はジーンズ姿の百合。
俺には言えない秘密も、
いつか話してくれるまで待つしかなかった。
俺は百合との将来があるって、
信じていたからこそ、
我慢するしかなかった。
本当は、
百合の事は全部知りたかったさ。
でも、聞いちゃいけない空気を百合は作った。