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溺れる恋は藁をも掴む
第17章 溺れる
合宿中も、メールや電話のやり取りはしてたんだ。

「予程通り、半月で取れそう。
俺、運動神経いいからさ」

「だね。
そっちはどう?
涼しい?」

「東京よりは涼しく感じる。
自然がいっぱいさ。
旅行気分も味わえてる。
百合は栃木とか来た事ある?」

「ないな」

「免許取れたら、
連れて行くから。
那須ハイランドパークもあるしな」

「行きたいな」

「半月の我慢。
早く百合に会いたい」

「うん」

いつもと変わらない会話だった。

順調に仮免までいって、
いよいよ帰る日を迎えた前日までは……

夕方に公衆電話から着信があって、
なんだろ?って思って、出てみたら百合からだった。


「もしもし、晶」

「百合」

「ごめん。
携帯、落としちゃつたの」

「えっ!大丈夫なのか?」

「うん。
だから、公衆電話からなんだ。
いよいよ明日帰るんだね。
ごめんね、晶。
明日は朝から居ないの。
お店の子の誕生日で、
祝ってあげる約束したから……
晶が帰ってくるのに本当にごめん。
夜はそのまま店だから、
明日は家に居ないんだ」

「なんだ……
残念。
まぁ、仕方ないよな。
友達は大事だし、
誕生日は年に一度しかないし、
俺はこれからもずっと百合と一緒なんだから」

俺は内心がっかりしたけど、
物分かりのいい男を気取ったんだ。

「…うん。
ごめんね」

「明後日には会える。
早速、免許センター行って、
本試験受けてくるよ。
免許証持って、百合に会いに行く。
逆にその方がカッコイイよな?」

「うん」


これが百合との最期の会話になった。
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