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溺れる恋は藁をも掴む
第17章 溺れる
段々、強くなろうって思った。
クレッシェンドで働いて、
少しずつ借金を肩代わりしてくれた親に、
お金を返してました。


離れていても、
太陽の事を思い出すと、
涙が自然に出てきた。

特に、同じくらいの歳の子とすれ違ったり、
似たような子を見ると、
辛くて辛くて堪らなくなった。

あの日、

「カキーン カキーン」と爽やかな音が聞こえてきたわ。
その音に誘われるように、
バッティングセンターに入ったら、

晶と出逢えた。

神様からのご褒美だと思ったよ。
晶と宝石のようにキラキラした日々を送れたこと。

私は晶の邪魔にならないように、
そっと力になろうと思った。
母親失格の私が、
太陽に出来なかった分、
晶にしてあげられたら…
なんて思ったけど、
とんだ思い上がりだった。

晶のお母さんは、
晶や弟さんを守る為に、
どんな状況でも逃げなかった。

強いね。

これが私に足りないとこなんだと、
晶を通して教えられた気がしたよ。

母親って、
そういうものなんだって。


そして、私は最悪な女になろうともしたわ。




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