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溺れる恋は藁をも掴む
第18章 弱くなって強くなる
『セックスしたくなった女が、
たまたまそこに居ただけだ。
数時間、身体を合わせただけ。
心はお前しか求めない』
私はそんな言葉に惑わされるんだ。
彼さ、カメラマンしてるんだ。
初めて撮って貰った時、
『お前、超イカした女だな!
こんなに綺麗に産んで貰って、
親に感謝しろよ。
ファインダーから覗いたお前のツンとした美人顔。
挑戦的でゾクッとさせる目。
堪らない。
カメラマンを本気にさせる女だよ。
莉緒は。
そういう女に出会ってこそ、
シャツターを切る意味を感じる』
って言うんだ。
嬉しかった。
遊び慣れた男が言う事を、
真に受けちゃつたよ。
好きになる気持ちまでも止まらなくなった。
例え浮気されても、
私の元に戻るあいつを嫌いになれない。
だから寂しさを心に抱えてもがく。
バカだよね。
彼、大阪に転勤になってさ、
『浮気はしないなんて約束は、
まず無理かもな……
でも、心は莉緒のままの自信はある。
待ってろ。
俺は待たせる価値のない女には、
そんな事、絶対言わない』
なんて言うんだよ。
お前、一体何様だよって感じよね。
嫌いになれたら楽なのに…
晶みたいな男を好きになれたら、
いいのに……
晶みたいな男は、
私みたいな女を好きにならない。
それに私も、そういう男しか好きになれない。
全く、うまくいかない。
晶………
抱いてよ。
気持ちいいセックスしょう。
見返りを求めない、
最高の理解者として。
心底にある気持ちを抱いたままでいいから」
莉緒と俺の弱った心が重なった。
二つの唇も重ね、その先を求めた。
百合を失ってから、
楽しいとか嬉しいなんて感情がなくなってしまったかのように、ただ息を吸って生きているような灰色の景色覆うわれたような毎日だった。
百合の思い出や面影ばかりを追い、
知らず知らずに泣いていた。
親父を失った時の母さんのように。
寂しさに押しつぶされそうな自分を、
ほんのひと時でも救って欲しいと願った。
たまたまそこに居ただけだ。
数時間、身体を合わせただけ。
心はお前しか求めない』
私はそんな言葉に惑わされるんだ。
彼さ、カメラマンしてるんだ。
初めて撮って貰った時、
『お前、超イカした女だな!
こんなに綺麗に産んで貰って、
親に感謝しろよ。
ファインダーから覗いたお前のツンとした美人顔。
挑戦的でゾクッとさせる目。
堪らない。
カメラマンを本気にさせる女だよ。
莉緒は。
そういう女に出会ってこそ、
シャツターを切る意味を感じる』
って言うんだ。
嬉しかった。
遊び慣れた男が言う事を、
真に受けちゃつたよ。
好きになる気持ちまでも止まらなくなった。
例え浮気されても、
私の元に戻るあいつを嫌いになれない。
だから寂しさを心に抱えてもがく。
バカだよね。
彼、大阪に転勤になってさ、
『浮気はしないなんて約束は、
まず無理かもな……
でも、心は莉緒のままの自信はある。
待ってろ。
俺は待たせる価値のない女には、
そんな事、絶対言わない』
なんて言うんだよ。
お前、一体何様だよって感じよね。
嫌いになれたら楽なのに…
晶みたいな男を好きになれたら、
いいのに……
晶みたいな男は、
私みたいな女を好きにならない。
それに私も、そういう男しか好きになれない。
全く、うまくいかない。
晶………
抱いてよ。
気持ちいいセックスしょう。
見返りを求めない、
最高の理解者として。
心底にある気持ちを抱いたままでいいから」
莉緒と俺の弱った心が重なった。
二つの唇も重ね、その先を求めた。
百合を失ってから、
楽しいとか嬉しいなんて感情がなくなってしまったかのように、ただ息を吸って生きているような灰色の景色覆うわれたような毎日だった。
百合の思い出や面影ばかりを追い、
知らず知らずに泣いていた。
親父を失った時の母さんのように。
寂しさに押しつぶされそうな自分を、
ほんのひと時でも救って欲しいと願った。