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溺れる恋は藁をも掴む
第6章 満月の夜に
もう、連絡ないね。
日は落ちて暗くなりだしたし、
もうすぐ夜が来る。


帰ろう。

駅に向かって歩いていると、
バックの中の携帯が鳴る。

あっ! 電話‼︎

バックから取り出す。

誰からか?画面を見て確認する。




えっ‼︎

アキからだ‥‥‥‼︎‼︎


いつもアキとはメールのやり取りだった。
初めてのアキからの電話にドキッとする。

嬉しいし、
この連絡を待っていたんだけど、
断られたら、やっぱりショツクだな‥‥‥
でも、出なければ切れちゃう‼︎

私は急いで通話ボタンを押した。



「もしもし」

「もしもし 華?」

「うん」

「ごめんな。
メールには気づいていたんだけど、
仕事でさ、しかもお客様とこでね。
なかなか返信出来なかった。
今、終わったとこ」

「お疲れ様、アキ」

「はい、お疲れ様。
今からで大丈夫か?」

「えっ!?」

「今夜、会いましょう」

「えっ?」

「電波悪いの?
聞こえる?
今からでもいいか?」

「今から?」

「なんだ予定入った?」

「ううううん」

「大丈夫なら、
30分後に噴水公園。
この間の場所で」

「あっ、はい」

「急ぐから、
電話切るぞ。
後でな」

「うん」


ツゥーツゥーツゥーツゥーツゥーツゥーツゥーツゥー


私は暫く切れた携帯を耳に当てたまま、
呆然とした。
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