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溺れる恋は藁をも掴む
第6章 満月の夜に
「アキ‥‥‥
でもさ、こうしてお父さんを偲ぶアキはさ、
そんなお父さんを理解しながら、
今を生きてるじゃん。
アキの今を見れなくて、
お父さん、残念だったね。
アキの成長を楽しみにしていたはずだよ。
でもきっと、アキを天国で見守ってるよ」


「不思議だな。
華って。
そう言って貰えると楽になる。
俺さ‥‥‥‥‥‥
あ、やっぱ辞めとく。
しめっぽい話はここまで。
華、好きなもん頼めよ。
今日は、華の時間が許せる限り飲もう」


アキの話の続きが気になったけど、
何だか、今は聞いたらいけない気がした。



「じゃあ、
おじゃがチーズにシーザーサラダ、
それと梅酒ソーダ頼んじゃおう。
今日は、私がアキを労いますよ」


「サンキュー」

アキは照れ臭そうに笑うんだ。

「じゃあ、俺はアセロラ杯にしとくわ」


もう一度乾杯して、
頼んだ料理を食べて、
高校の時のシュガー(国語教師 佐藤)の話などで、
盛り上がった。

「あいつ、結婚したらしいよ?」

「え!本当⁉︎」

「噂によると、
進学塾でバイトしていた時の生徒らしいよ?」

「やるね!シュガー」

「やるな‼︎
俺についてきて損はねーから!
なんて言ってそう」

「だね」

アキと顔を見合わせて笑った。
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