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治してあげます
第6章 退院


不思議に思った。

いつもなら欠かさず、毎日少しだけでも顔を出してくれていた。



忙しいから…しょうがないか。

そうとしか考えられなくて、抑えてた涙がまた流れる。




午後の4時過ぎ。


『宮崎新菜様…宮崎新菜様…患者専用第一診察室にお越し下さい…繰り返します…』



患者の診察が午後からが基本だった。だから、不思議なことではない。学さんに会えると思ったら、気分も上がった。赤く腫れた目元は変わらないが。


重たい身体を、持ち上げて第一診察室に向かう。



日が傾き始める頃。

この時間が一番世界が傾いて見える時間だった。

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