この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
治してあげます
第10章 番外編:美雪side 2
「…違う!」
「うん?」
「さっきから、元彼とかそういうの思い出して…嫌になって」
「そっか」
よしよしと、言いながら頭を撫でてくれる。なんだか、暖かくて、荒れていた心が落ち着いていった。
「もっとぎゅってして…っ」
普段出さない気持ちが出ていた。
何も言わず彼は抱きしめる。
あたしは久しぶりに声が出るくらい泣いた。辛かった気持ちを、新菜すらにも伝えられないでいたのだ。
「山城さん…よしよーし」
「ぅうっ…ふざけっ…ふざけないでっ」
「ふざけてないよ。…いっぱい泣いて強くなって」
「ぅう…ん」
泣き止むまでずっとずっと背中を撫でていてくれた。
彼の優しさをとても、感じた。
そう、そのときは…。