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治してあげます
第10章 番外編:美雪side 2


「…違う!」

「うん?」

「さっきから、元彼とかそういうの思い出して…嫌になって」

「そっか」


よしよしと、言いながら頭を撫でてくれる。なんだか、暖かくて、荒れていた心が落ち着いていった。



「もっとぎゅってして…っ」


普段出さない気持ちが出ていた。

何も言わず彼は抱きしめる。


あたしは久しぶりに声が出るくらい泣いた。辛かった気持ちを、新菜すらにも伝えられないでいたのだ。


「山城さん…よしよーし」

「ぅうっ…ふざけっ…ふざけないでっ」

「ふざけてないよ。…いっぱい泣いて強くなって」

「ぅう…ん」


泣き止むまでずっとずっと背中を撫でていてくれた。
彼の優しさをとても、感じた。

そう、そのときは…。


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