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治してあげます
第10章 番外編:美雪side 2
うとうとし始めた時には、もう2時くらいにはなっていたと思う。しかし、気にせずずっとあたしを抱きしめていてくれて。
嬉しかった。
人の温かみを感じた。
「ありがとうございました」
赤くなっている目や鼻を見せないように、下を向いた。
「帰ろっか」
「…はい」
子供のように手を握って、ゆっくり歩いた。
その手は優しくて、ついぎゅっと握ってしまった。
風が冷たく冷えた頃、タクシーを呼んだ。
「家、どこら辺?」
「えっと…」
あたしは、すらすらと住所を言ってその場所に向かってもらう。
「割と、俺の家と近いかも」
「…そうなんですか」
ちょっと反応遅れた…。
てか、あたし、嬉しくなってるし…。