この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
治してあげます
第10章 番外編:美雪side 2
20分ほどで家の前に到着してしまい、あたしはお金を払おうとすると
「これで。俺も降りますんで」
と言って新道さんは出してしまった。
涼しい風が身体に当たって冷える。
「あの、お金…」
「今日はいいよ!泣かせちゃったし」
「でも…」
「いいの!」
背中を押されて、マンションの階段につま先がつく。…別れが名残惜しいだなんて思ったのはいつぶりなんだろう。
恋愛なんかしないなんて言ったのはいつだっけ。
あたしは、なんて単純なんだろう。
照れくさくて、微笑んだ。
「山城さん?」
「…ありがとう。おやすみなさい!」
ニッと笑って、彼を見た。
「おやすみ」