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治してあげます
第10章 番外編:美雪side 2


20分ほどで家の前に到着してしまい、あたしはお金を払おうとすると

「これで。俺も降りますんで」

と言って新道さんは出してしまった。



涼しい風が身体に当たって冷える。

「あの、お金…」

「今日はいいよ!泣かせちゃったし」

「でも…」

「いいの!」

背中を押されて、マンションの階段につま先がつく。…別れが名残惜しいだなんて思ったのはいつぶりなんだろう。

恋愛なんかしないなんて言ったのはいつだっけ。


あたしは、なんて単純なんだろう。

照れくさくて、微笑んだ。


「山城さん?」

「…ありがとう。おやすみなさい!」

ニッと笑って、彼を見た。


「おやすみ」

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