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治してあげます
第11章 番外編:美雪side 3

パタリと倒れる男。
一体何したの…?
泣きそうだったのに驚きで涙が引っ込んでしまった。
「よそ見してると…!」
と言って鳩尾を一発。
ぐったりとした瞬間手が離れて、あたしは咄嗟に逃げる。そして、新道さんの元に行く。
「山城さん…」
「ごめん…なさい…」
「いいよ、無事なら」
なんで、そんなに優しくするんだろう。
だって、あたしよりあの子の方が好きなんでしょ。
…聞かなくたってわかるよ。
「…やだ…優しくしないで…っ」
安心していたはずの彼の胸からあたしは離れた。
「待って」
少しずつ歩き始めたとき彼はそう言った。
それに従うあたしも、あたしだけど。
「…何」
「せめて、今日だけでもいいから送らせて」

