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治してあげます
第11章 番外編:美雪side 3

「…わかった」
あたしも、ほんと成長しない。
こんな恋愛辛いなら捨ててしまえば早いのに。
諦めきれてないあたしもいる訳で。
「山城さん?」
「何?」
「下の名前ってなんていうの?」
「…美しいに天気の雪で、美雪っていうの。あんまりにあってないでしょ?」
正直、この名前はあまり好きではなかった。
親がつけてくれた名前。誇らしいのかもしれないけれど、あたしの心と名前は一致してない。
名前だけの人間なんだ。
「へぇ…似合ってるね。可愛い」
「そ、そんな…ことないよ」
「俺なんか緑だよ!なんだかわかんないでしょ?」
「…そうかも」
「あ、笑ったでしょ。今!」
「ええ?」
今日限りなのに。
自分の中のいい思い出になっちゃって…。
好きだって
伝えられたらどれだけ楽だろうか。
鈍いなぁ…もう。

