この作品は18歳未満閲覧禁止です
治してあげます
第4章 向日葵
少しの沈黙の中、目と目が交わった。すると、うっすらと口を開き話始めた。
「…僕、昔から身体弱くって体力とかも自慢できるほどないんですよね」
「…へぇ…」
「いつも入院してばかりで、親も呆れて来なくなって…でも、隣の女の子が優しくて…」
彼の昔話。
一度は気になっていたことだった。
だから、何も言わず聞いていた。
「顔も声も名前も…僕は覚えているんです。僕に話しかけてくる人はあんまりいなかったので」
「………」
胸の奥がズキズキと痛む。