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近づきたい
第2章 春の日
「待って。ちょっと待って。」
足を止めた私の腕を掴んだ大きい手…私が見とれた、触れられてドキドキした手がまた私に触れている。
もう涙を止められなかった…
「オレ、義朗(よしあき)って名前で、いつもよしって呼ばれてるんだ。だから、自分が呼ばれたんだと思って。怖がらせちゃったね…
ごめんね、こんなおじさん呼んだはずないよね。
オレも高校生の知り合いなんていないのに…本当ごめんなさい。」
私を掴んでいた手を離しながら、よし先輩が申し訳なさそうに謝ってくれている。
「…ごめんなさい。突然、ごめんなさい。」
涙をまた手で拭きながら、よし先輩に謝る。
「オレは何も…。あ~あ、手で涙拭くから顔赤くなっちゃったよ。ハンカチどこに入れたっけ?」
顔が赤いのはよし先輩を目の前にしているから…でも、言えない。
ハンカチをいろいろ探してくれている優しさが嬉しくて、私は笑顔になっていった。
「ハンカチあるので、大丈夫です。ありがとうございます。」
「うん。すぐに出せるところになくて、ごめん。」
ちょっと照れて笑う。その顔をもっとよく見たくて、よし先輩を見つめてしまった…
よし先輩と改めて目が合う。薄暗い中でも顔はよく見える。やっぱりカッコイイ人だなぁ…
足を止めた私の腕を掴んだ大きい手…私が見とれた、触れられてドキドキした手がまた私に触れている。
もう涙を止められなかった…
「オレ、義朗(よしあき)って名前で、いつもよしって呼ばれてるんだ。だから、自分が呼ばれたんだと思って。怖がらせちゃったね…
ごめんね、こんなおじさん呼んだはずないよね。
オレも高校生の知り合いなんていないのに…本当ごめんなさい。」
私を掴んでいた手を離しながら、よし先輩が申し訳なさそうに謝ってくれている。
「…ごめんなさい。突然、ごめんなさい。」
涙をまた手で拭きながら、よし先輩に謝る。
「オレは何も…。あ~あ、手で涙拭くから顔赤くなっちゃったよ。ハンカチどこに入れたっけ?」
顔が赤いのはよし先輩を目の前にしているから…でも、言えない。
ハンカチをいろいろ探してくれている優しさが嬉しくて、私は笑顔になっていった。
「ハンカチあるので、大丈夫です。ありがとうございます。」
「うん。すぐに出せるところになくて、ごめん。」
ちょっと照れて笑う。その顔をもっとよく見たくて、よし先輩を見つめてしまった…
よし先輩と改めて目が合う。薄暗い中でも顔はよく見える。やっぱりカッコイイ人だなぁ…